木のヨット

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 2004年2月18日に、友人の建築家村上太一氏を誘って、東京湾マリーナに進水間近のヨット(形式的にはカッター)を見に行きました。そのカッターの製作者は、佐野末四郎氏。新木場で「SANOMAGIC」という木造艇専門の工場を経営されています。ヨットに関してはド素人の僕達を、佐野さんは温かく迎えてくれ、様々な話を聞かせていただきました。
 このカッターのフレームは、チークの積層材。外板はマホガニー。外板と外板の間には、「マキハダ」というコーキング材を詰めます。内装材も構造として利用し、全体の軽量化を図っているそうです。そして、マストは米松のピーラー材。中をくり抜いた上で接着して、中空材としています。このカッターの、重量は全体で3.7tほどですが、鋳鉄のバラストが1.7tもあるので、その他の部分がとても軽量に仕上がっていることがわかります。
 ひとつ佐野さんの話の中で印象に残ったことは、「マホガニーの価値は、これから年月を重ねる中で、美しい赤味を帯びた色に変色していく事だ。」と言う話でした。基本的に今の世の中で流通しているものは、皆新品、建築で言えば新築時が最良で、あとはただひたすら朽ちていくのが常識なので、軽いカルチャーショックを受けました。
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 最後に、佐野さんが高校生の時に製作した「プリティエンジェル号」と、2002年のヨーロッパボートショーに出品したランチボートの二艇を見せてくれました。もちろん、とても美しい赤味を帯びたマホガニーの船でした。その後しばらく、このランチボートの姿が、頭から離れなくなってしまった僕でした。(剛)

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